現在の音楽業界、音源の流通やショーとしての受け入れられ方などを見れば、いかに私たちにとって音楽というものが大事な文化であるのか、ということがわかります。

その中でも特に、「歌」という存在は大きなものです。人によっては、歌が入っていない音楽は普段は聞かないかもしれない、ポップや歌謡曲、オペラなど、自分の好きな音楽は全部、歌が入っているものだ……と思い当たる方もいるかもしれません。そんな人にとっては、音楽=歌、という認識である、と言っても過言ではないかもしれません。

歌は言葉をメロディーに乗せて、特定のテンポを維持しながら、アクセントなどの工夫を凝らして表現される、複雑なアートです。そしてこの高度なパフォーマンスは、決して技術や精神が発達した現代に特有のものではありません。非常に原始的な時代から、人々は歌を歌っていたということを示す様々な証拠が発見されており、古代から、歌が人間にとって重要な存在だったことがうかがわれます。

歌を歌うことには、いくつかの驚くべき効果があります。まずはやはり、「楽しさ」ではないでしょうか。何かとてもいいことがあって、思わずお気に入りの歌を口ずさんでいた……こんな経験は誰でもあると思います。反対に、とても辛い状況にあって落ち込んでいるような時、好きな歌を聴いて元気を出したり、ネガティブな気分を晴らすということを多くの人がするでしょう。歌を聴き歌う楽しさは、ポジティブな気分を誘発するために、日々世界中で実行されています。

また、多くの人が、歌が持つこのような「癒し」の機能を知っていて、共通認識として共有しています。なので、「複数の人々が集まって、同じ歌を歌う」というある意味では儀式的とも言える集団行動が、昔から行われてきました。

合唱は、この系譜にある音楽の形式で、最も馴染みやすく、誰でも参加できるものです。合唱は、その個人的な楽しさを、集団行動として、何倍にも膨れ上がらせてくれるものです。敷居が高い、難しそう、と思っている方のために、非常に重要で簡単ではないけれど、これさえ押さえておけば安心と言えるような、合唱の基礎の基礎、を解説していきたいと思います。

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